ボーイスカウトの教育と特徴

  • 青少年の自発活動であること。
  • 青少年が、誠実、勇気、自信、および国際愛と人道主義を把握すること、健康を築くこと、人生に役立つ技能を体得すること、社会に奉仕できるための人格・健康・技能・奉仕を4本柱としていること。
  • 幼児期から青年期にわたる各年齢層に適応するよう、年齢に応じた部門があり、それぞれのプログラムが一貫していること

ボーイスカウトの教育が他の青少年団体と異なるところは、そのプログラムにあります。それは、「ちかい」と「おきて」の実践、班制教育、進歩制度、野外活動を取り入れていることです。

女子スカウトも一緒に活動

1995(平成7)年以降、各部門に女子が参加できるようになりました。同じユニフォームを着用し、キャンプやゲーム、奉仕活動など、一緒に活動しています。

進歩制度(バッジシステム)

子どもたちの個性、そして成長に合わせ、社会人としての資質をひとつひとつ学ぶための制度です。

子どもたちは、自分ががんばった成果がしっかりと評価されることに自信を持ち、次のステップに進む意欲を燃やします。

進歩制度には、必ず身につけるべき共通のもの(修得課目)と、各人の趣味や得意な技能を伸ばすもの(選択課目)があり、修得課目は色々な活動を通じて修得に努力し、規定の課目を完修すると進級章が与えられます。

ちかいとおきて 

ボーイスカウト教育は、どのようなときにも、どのような場でも、すべての活動は「ちかいとおきて」の実践を基盤において行われています。
ビーバーやカブスカウトは世代に応じた、「やくそく」と「きまり」、「さだめ」がそれぞれあります。

「ちかい」は、自分自身に対して誓うものであり、また「スカウトのおきて」は毎日の生活の物差しとして自分の行動を律するものです。

言葉の響きから感じるような堅苦しいものではなく、普段の生活のなかで心がげるべき、「道徳」がそこにはあります。

小グループ活動(班制教育)

班は、少人数の子どもたちにより編成されます。ボーイスカウトの班は、

  • 遊びの仲間により作られた、異年齢の集団。
  • 仲間の1人にリーダーシップをとらせる。
  • 6~7人のグループで、一人ひとりが、班の運営のために明確な役割を分担する。

ことを特徴としています。班は、子どもたちの自治のグループであり、指導力と責任感を養成する場所です。

野外活動

ボーイスカウトの教育における野外活動は、単なる戸外ではなくもっと広い、もっと大きな自然から学ぶことを意図しています。つまり、大自然を教場としているのです。大自然の中に身をおき、身体を鍛え、技能を磨き、知識と強い意志を身につけます。

ボーイスカウト運動の組織と構成

ビーバースカウト  小学校1年生4月~
(就学直前の1月から仮入隊できる)

ビーバースカウトは、ボーイスカウトで最年少の小学1年生から2年生を対象としています。「みんなとともに仲良く遊ぶ」「自然に親しむ」「楽しみや喜びを分かちあう」などをねらいとし、自然体験を通じてさまざまなことにチャレンジします。

仲間と一緒に、仲良く遊ぼう
「なかよし」をキーワードに、学校を越えた地域の仲間たちと、楽しく遊びながら「集団」に慣れていく活動をします。集団の中では、みんなで仲良く遊ぶために必要なルールを守ったり、順番を待ったりすることも、遊びを通じて自然と身についていきます。

外に出かけよう
川や森、近所の公園……。家から一歩出たら、そこにはたくさんの冒険が待っています。いつも前を通る近所の公園も、仲間と一緒にいきものを見つけたり、水遊びや探検をしたりすると、新たな発見や興味がうまれる特別な場所になります。

カブスカウト 小学校3年生4月~

カブスカウトは、小学3年生から5年生を対象としています。「自分のことは自分でする」「みんなでルールを作って仲良く遊ぶ」「自然体験や社会とふれあうこと」といった目標を通じ、自立心や創造力を身につけます。
仲間のひとり
カブスカウトは、「組」という小グループで活動します。組での活動は仲間意識を高め、体力に自信がない子や引っ込み思案の子でも、仲間と協力して多くのテーマにチャレンジすることによって「自分にもできるんだ」と思うことが増え、生き生きと、はつらつとした表情が多くなっていきます。また、仲間との協力を繰り返すことで、「仲間の中のひとり」であることも知ります。
いつも元気
野外に出ると、さまざまなことに興味がわき、自分にできることやチャレンジしたいことも増えていきます。体を動かす楽しみを感じ、より積極的になります。カブスカウトでは3学年が一緒に活動するので、上の子が下の子をみたり、下の子が先輩にあこがれたりしながら、1年を通じて大きく成長していきます。

ボーイスカウト  小学校6年生4月~

ボーイスカウトは、小学6年生から中学3年生を対象としています。「班」というグループの中で、それぞれが自分の役割をもち、協力して活動します。キャンプやハイキングなどの野外活動の中で「リーダーシップ」「協調性」「社会性」などを育み、奉仕活動を積極的に行うことで「役に立つことの大切さ」を学びます。
協力と工夫
ボーイスカウト年代になると、数多くのハイキングやキャンプを経験します。ふだんの生活とは異なり、不便なことも多いキャンプでは、快適に過ごすためにできることを仲間とともに試行錯誤します。ボーイスカウト年代以上の共通のモットー「そなえよつねに」を意識し、五感を使って知識や技能を得ること、心構えをもつことなど、いろいろな意味での「そなえ」を大切にしながら、協力して成し遂げることを学びます。
一人前になるために
ボーイスカウトには、「ちかい」という信条と、「おきて」という日常生活における行動の「ものさし」があります。キャンプはもちろん、スカウト活動以外のときでも常にスカウトであるという意識をもって行動することで、自分のことはもちろん、周りを気遣ったり困っている人に手を差し伸べたりできるような「一人前」な自分に近づきます。


ベンチャースカウト  中学校3年生9月~

ベンチャースカウトは、中学3年生の9月から18歳の、主に高校生年代を対象としています。「高度な野外活動」への挑戦のほか、関心をもったさまざまな課題や問題について個人やチームで考えて行動していきます。
個人と仲間
ベンチャースカウトになると、より積極的に自分から行動するようになり、自分自身の計画や同じ目的をもった仲間とともにさまざまな計画を立てて実行します。良かった点や悪かった点などを考え、過程において学んだことや理解したことを踏まえて、また次のステップへと進んでいきます。
自己の成長
自らが創意工夫をしながら行動することによって、知識、技能、心構えがより定着し、自立心や協調性、リーダーシップの発揮などに繋がります。

ローバースカウト  18歳~25歳


ローバースカウトは、18歳以上25歳以下の青年を対象とし、自身がそれまでに得た体験や知識、技能を基に、「社会や世界の課題」に挑戦します。また、他の人々に「奉仕」することで自らの成長に繋げ、自分自身の将来の目標や社会との関わりについて考え、行動していきます。

成長と責任感
自己研鑽と奉仕を中心に、自分たちが求めていること、挑戦したいことについて、自分たちで目標を決め、 自分たちが自らの意思で行動するということが、周囲にどのような影響を与えるか、社会に対して自分たちにできることは何かということを模索し、社会で活躍できる人材に成長していきます。最適な形で実践するための計画から運営までのすべてをスカウト自身が率先して行います。