非認知能力とは?
人の能力は、大別して「認知能力」と「非認知能力」の2種類があります。
認知能力 | IQやテストの点数など数値化できる能力 |
非認知能力 | 意欲や自制心、思いやりなど目に見えない能力 |
認知能力とは、IQや偏差値など、数値で表すことができる能力を指します。
学校の成績などといったものは、この認知能力に含まれます。
一方で、非認知認知能力は、目に見えない・数値化しにくい能力のことを指し、心や気持ちといった内面的スキル全般となります。
今までは、認知能力の方が重視されていましたが、最近の研究によって、非認知能力を伸ばすことが将来の成功に繋がるということが明らかになってきました。
非認知能力の種類
種類 | 能力 |
対人スキル | 協調性 統率力 柔軟性 共感力 傾聴力 |
対自己スキル | 道徳心 倫理観 探求心 自己肯定感 自律性 |
対課題スキル | 実行力 分析力 時間管理能力 論理的思考力 批判的思考力 |
セルフコントロール | 自制心・感情コントロール |
社会的能力 | リーダーシップ・コミュニケーション力 |
回復力と対処能力 | 失敗から立ち直る力 |
クリエイティビティ | 創造力・発想力・工夫する力 |
非認知能力は習い事で育つ
非認知能力を育てるのは集団の習い事が適しているといわれています。
それは周囲との関わり方や、コミュニケーション能力を育むことができるからです。
また、長く続けることも継続する力を養うという意味で大切なポイントとなります。
続けることの大切さを学んでいきましょう。
そして、これが一番大事ですが、意欲を持って挑戦できるものであること。
「子どもが興味関心を示すかどうか」
興味のないことを習わせてもモチベーションが下がるばかりで伸びるものも伸びません。
非認知能力を育てる習い事5選
【1】プログラミング
2020年度より小学校の授業でも必須となったその目的は、物事を整理し、論理的に考える力や行動力の育成です。
プログラミング学習は、失敗を繰り返し続けることが前提なので、失敗を恐れず挑戦していく力が身につきます。その過程で、最後まで諦めない、やり抜く力も養われるといわれています。
さらに、仲間の協力が必要な課題もあるため、協調性も身につきます。
【2】音楽
最大のメリットは、指先を動かすこと。
それは、非認知能力と密接に関係している前頭前野を鍛えるのに最適だからです。
表現力はもちろん、想像力や記憶力、集中力など多岐に渡って養われるので、人間的にも成長できます。
【3】ボーイスカウト
ボーイスカウト活動は、世界最大の青少年育成団体です。
野外を中心とした活動を行い、基本的にチームやグループで行うので、ルールはもちろん、リーダーシップや協調性、さまざまな成功・失敗体験を積み重ねることができるのも魅力のひとつ。
ロープの使い方、手旗信号などのスキルを習得するごとに、級が上がっていくので、隊員のやる気や達成感を引き出してくれます。
ロープワークをはじめとした、様々なスキルは音楽同様に指先を器用に動かすことが求められ、前頭前野を鍛えるのに最適です。
また、自然とのふれあいの中、総合的な生きる力を育んでいくのが最大の特徴です。
【4】ダンス
ダンスは音に合わせて体を動かすことができ、楽しく入り込むことができる習い事だといわれています。豊かな感受性や人前で自信を持って表現する力など、自己表現力を育むことができます。
【5】スポーツ
スポーツ経験のある子どもは、未経験者に比べて、自制心、忍耐力、目標思考などの非認知スキルが高いそうです。
また、集団スポーツ経験者の方が非認知スキルが高い傾向にあるといわれています。
スカウト教育法8つの要素
ボーイスカウトは世界的な教育運動です。
ボーイスカウトでは「青少年がより良い社会人に成長していくことに貢献する」ため、8つの教育的要素を持つ「スカウト教育法」を形成しました。
8つの要素はそれぞれに影響し合いながらお互いの効果を高め合う役割を果たしています。
「ちかい」をたてて「おきて」を守るということは以下のようなことを意図しています。
「ちかい」
- 運動に参加し、最善を尽くして「おきて」をまもるという宣誓。
「おきて」
- スカウトの生活の指針。自らを律し、成長させていくための生活の具体例。
スカウトの「ちかい」
英語では「ちかい」をPROMISE(約束)と表現しています。
スカウトの「ちかい」をたてるということは、スカウト活動に参加するため、おきてをよく理解し、おきてを守ることに最善をつくすことを自分自身と約束するということです。
これは、自らを教師とする自己教育のスタートを切るという出発点でもあります。
また、「ちかい」は、共に活動する仲間たちの前でたてられます。「ちかい」は個人的なものであると同時に、仲間たちと共有された公式の約束でもあるのです。
子どもたちが「ちかい」を立てることは、ボーイスカウトへの参加表明に留まらず、自分を律し、これからの人生を成長し続けるという決意を常に意識させる役割があるのです。
これは、青少年にとって重大な決意です。両親や周囲の支援する大人は、子どもたちが納得し、自分の意志で決意ができるように、時間や情報などの環境を十分に提供する必要があります。
スカウトの「おきて」
英語では「おきて」をLAW(法律・規律)と表現しています。
スカウトの「おきて」は、スカウト運動が目指す価値観を生活の指針として具体的に示したものです。
「おきて」は、単に、子どもたちが持つボーイスカウトという小さな社会の法律として機能するだけではありません。
子どもたちが、生活の中で出会う様々な出来事を「おきて」に照らし合わせて行動することで、自分自身を発達させることができる、自己教育のための指針なのです。
これは、制服を着たスカウト活動中だけに限った話ではなく、「おきて」を実践して生活をしていくことで、生活の全てから学びを得ることができる仕組みになっています。